相続贈与遺言の中原会計
 
節税のヒント  
 
備えあれば憂いなし。

相続人へのおもいやりが、あなたの財産を守ります。

法定相続人の人数が多いほど相続税の負担が軽くなります。といっても今から子供を生むような歳でもない…。そうした場合でも養子縁組をすれば、自分のお腹を痛めずに子供をもうけることができます。
しかしながら、平成元年の税法改正で、「相続税の税額を不当に軽減することを目的とした養子は、相続税の計算上、法定相続人の人数から除外する。 そして、正当理由のある養子についても、実子のない場合は2人まで、実子のある場合には1人までしか法定相続人として認めない。」という法規制がなされました。

 

節税のヒント 長男の嫁との養子縁組

 

先の法規制がつくられてからは、私は、家を継承される長男の嫁との養子縁組をおすすめしてます。会社の仕事で毎日多忙な長男に代わって、年老いたご両親の世話をなさるのは長男の嫁になるケースが多いと思います。ところが苦労して世話をしてこられた長男の嫁には相続の権利がまったくなく、たいへんお気の毒に思った経験が幾度もあります。
 財産を相続したお嫁さんも、その財産を贅沢に使ってしまうようなことはなさらずに、きっと、自分の子供たちにまた相続していかれるでしょう。とくに多額の遺産がある場合、長男一人を経由して孫の代に相続するよりも、長男と長男の嫁の二人に分散した上で孫の代に相続していくほうが相続税の負担が楽になるのです。

 

節税のヒント 貸家は誰の名義で建てるべきか

▼建物が長男や配偶者名義の土地の評価は?
貸家建付地の評価減のメリットを受けることができるのは、原則として土地の所有者が自分の名義で建てた場合です。地主本人の名義ではなく、その長男や配偶者の名義で建てられた場合、土地の貸借関係は使用貸借と見なされ、その土地は更地評価で 100%の評価になってしまいます。このようなケースの当事者の方にお話をうかがうと、だいたい次のようなご説明を受けます。
 

建物と土地両方を自分名義にするより、土地だけを自分の名義にしたほうが、相続財産は少なくなるので相続税負担が減ると思った。

(きちんと計算してご説明すると、この考え方は錯覚であったことに気づいて頂けます。)

所得の分散を図れば、相続税の負担も軽減できると思った。

(所得税の負担の方が大変なのか、相続税の負担の方が大変なのか、計算して検討しましょう。相続税の軽減にウェイトをかけるほうが有利なことが多いのです。)

建築資金がなかったし、配偶者か子供しか借金ができなかったから。(これはまれなケースだと思いますが…)

 
長男または配偶者名義の貸家の建物は、相続までに地主の名義に直したほうが有利なケースがほとんどですので、よく検討してみてください。名義変更の方法は、贈与か売買になるでしょう。贈与の方法をとる場合、もし対象建物に借入金や敷金などの債務が付いていれば、除去して贈与することが大切です。なぜならば、平成元年に負担付贈与についての改正がなされ、建物の時価評価で贈与税が課されるとか、建物を時価で譲渡したものと見なされて思わぬ課税をされたりといったことがあるからです。

 

節税のヒント 宅地利用区分の変更

  左のような角地に

500平方メートルの

自宅専用宅地があります。

 

●宅地の評価額

(正面路線価) (側方路線価) (角地加算率) (修正路線価)
300,000円 200,000円 × 0.05 310,000円
310,000円×500平方メートル=155,000,000円

自宅が老築化していたので、

表通り側にアパートを建て、

その収益を源資として住宅

ローンを組んで、奥に自宅を

新築した。

 

 

●宅地の評価額

 <a.アパート用地> 
(正面路線価) (側方路線価) (角地加算率) (修正路線価)
300,000円 200,000円 × 0.05 310,000円
(修正路線価) (借地権割合) (借家権割合)
310,000円 ×

(1-0.60

×

0.40) = 235,600円
235,600円×300平方メートル=70,680,000円
 

<b.自宅用地>(30万円の表通りには面していない)
 
(正面路線価)
200,000円×200平方メートル=40,000,000円

 

合計(a+b)
 
70,680,000円+40,000,000円=110,680,000円

 

利用状況

宅地の評価額 比率

自     宅

15,500万円

100%
自宅+アパート

11,068万円

71%

減     額

  4,432万円

29%

角地には利用区分の違う2種類の画地に変えておく事により大きな評価減が得られるのです。

 

節税のヒント 駐車場用地にアパートを建てた場合

  

●宅地の評価額

(正面路線価)
300,000円×500平方メートル=150,000,000円

 

アパート10戸
建築費は8,000万円
資金は全額借入金

借地権割合60%
借家権割合40%

 <a.土地> 
(借地権割合) (借家権割合)
150,000,000円 ×

(1-0.60

×

0.40)

 =114,000,000円

<b.アパート建物

(工事費) (固定資産税評価)              
80,000,000円 ×

0.50×(1-0.40)

 =24,000,000円

 
<c.借入金>(相続までに500万円返済)

 △75,000,000円

合計(a+b+c)

 
114,000,000円+24,000,000円-75,000,000円

=63,000,000円

 

 
評価額の比較表
   

青空駐車場

アパート建築

土地 15,000万円 12,750万円
アパート建物   2,800万円
借入金   △7,500万円 注1
合計 15,000万円

6,300万円

比率

100%

42%

注1 借入金の返済が500万円なされていたと仮定する。 

この表のように、相続税の評価減対策としての、アパート建築の有利性はご理解いただけることと思います。なお、晩年になって多額の借金を背負うことには抵抗のある方もいらっしゃることでしょう。そんな方は、預金を崩して充当なさっても借入金の場合と効果は同じですから、自己資金を思い切って多く投入してはいかがでしょうか。
さらに、預金が少なく借金にも抵抗がある方は、Bグループの土地を売却して、この資金をアパート建築に充当されてはどうでしょう。相続を迎えたら、相続人の方々がどうせ手放さざる得ない売却予定地なのですから…。

 

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